製本屋さんトップへ　　　　 2006.4.17新

　　　論文製本・手製本・最新技術で実演

■動機
　２００６年、お客様が準備された用紙で３回製本実演をした。製本屋さん「汎用型製本機」を使った研究論文、技術書の製本です。従来の論文製本より進歩したので記述する。
　補強紙だけでは、水平開き製本になるので、綴じ目は見えないような製本をするためには補強紙の上に厚紙を貼り、背が曲らないようにする。

■３．論文製本　　　（２００６年４月）　製本のやり方は２．会社の機密資料とまったく同じ。
　父親の論文を製本するために、購入していただいた。製本が初めてで不安なのでＡ４サイズＰＰＣ用紙などを１ｃｍ弱持参され製本した。スーパーのバス停近くのベンチで桜を見ながら親孝行のママさんに実演。ベンチは隙間があり、水平に置くのが難しかった。また人通りがあり少し恥ずかしかった。予定の場所が使えなかったためである。
●道具・接着剤・特殊用紙
　製本屋さん製本機、背揃え台高さ２ｍｍ、ステンレスブラシ、ボンドＢ１、ベタがけシート
●手順
（１）背揃え台の上に製本機を逆さまに置く。
（２）用紙をセットし揃えて、ネジを締め正立させる。５ｍｍほど用紙が突出する。
（３）ステンレスブラシで毛羽立たせ、ボンドＢ１を塗る。
（４）指で押さえて膨らんでいる背幅を小さくする。
（５）補強紙として使うベタがけシートを背部より少し大きく３２ｃｍｘ２ｃｍぐらいでハサミで切る。
（６）背に再びボンドＢ１を塗り、補強紙を被せ指で押さえつけ滑らかにする。表面に接着剤がしみでていない部分は表面から接着剤を追加し塗りつける。
（７）余った補強紙をはさみで切り取る。
　　ーー実演はここまで。後は表紙を付ける作業。ーー
★次の日、「実践していただけたので、ばっちり習得することができました～　今日の午前中に、10册の論文を、無事製本する事が出来ました。今度は自分用の絵本を製本します」　とメール　♪

表紙を付ける準備
　見返し紙としてＡ３サイズ用紙を二つ折りしたものを２枚作り、中味の最初と最後につけて上記背固めをする。二つ折りした見返し紙は必須で、カラー紙でも良い。
　補強紙の上に厚紙を貼り付ける。厚紙は糊付け面をステンレスブラシで毛羽立たせると強力に接着出来る。背を硬くするほど、開きにくくなり、綴じ目が見えにくくなり、強力な接着が出来る。
表紙の取り付け
　「コ」の字の背表紙を作り、貼り付ける。開きやすくするためには、背部には糊付けしない。
　Ａ４サイズで作った表表紙、裏表紙を見返し紙に貼り付ける。

■２．会社の機密資料　　　（２００６年３月）
　外部に製本依頼をすることが出来ない機密技術資料をお客様の目の前で製本した。このようなニーズがあることを初めてしった。お客様は製本屋さん製本機をお買い上げいただいた。Ａ４サイズ２．５ｃｍ。
●道具・接着剤・特殊用紙
　製本屋さん製本機、背揃え台高さ３ｍｍ、ステンレスブラシ、ボンドＢ１、ベタがけシート
●手順
（１）背揃え台の上に製本機を逆さまに置く。
（２）厚さ１ｃｍぐらいの用紙をセットし揃えて、ネジを締め正立させる。
（３）ステンレスブラシで毛羽立たせ、ボンドＢ１を塗る。
（４）指で押さえて膨らんでいる背幅を小さくする。
（５）再びボンドＢ１を塗り、製本機から取り出す。
（６）残りも１ｃｍぐらいに分けて上記（１）から（５）を繰り返す。
（７）製本機を逆さまに置く。
（８）背固めされた１ｃｍの厚さの用紙束を合わせてセットし揃えて、ネジを締め正立させる。
（９）ボンドＢ１をたっぷり塗り、予め切っておいたベタがけシート（補強紙）を被せ押さえる。
（１０）表面に接着剤がしみでていない背部に表面から接着剤を塗りつける。
（１１）余った補強紙をはさみで切り取る。

■１．大学の研究室　　　（２００６年２月）
　Ｎ大学で厚さ２ｃｍのＢ５変形サイズ、ペラ紙製本の実演。翌朝「製本が研究室でできるようになり、学生達も喜んでおります。」と先生からうれしいメール♪
●道具・接着剤・特殊用紙
　製本屋さん製本機、背揃え台高さ３ｍｍ、ダンボールカッター、ボンドＢ１、和紙
●手順
（１）背揃え台の上に製本機を逆さまに置く。
（２）厚さ１ｃｍぐらいの用紙をセットし揃えて、ネジを締め正立させる。
（３）ボンドＢ１を塗り、ダンボールカッターで傷つける。
（４）指で押さえて膨らんでいる背幅を小さくする。
（５）再びボンドＢ１を塗り、製本機から取り出す。
（６）残り半分も上記（１）から（５）を繰り返す。学生にやってもらった。
（７）背揃え台の上に製本機を逆さまに置く。
（８）背固めされた１ｃｍの厚さの用紙束を合わせてセットし揃えて、ネジを締め正立させる。
（９）ボンドＢ１をたっぷり塗り、予め切っておいた補強紙を被せる。
（１０）表紙付け作業　　補強紙としてベタがけシートを貼り付けるつもりだったが、失念しお客様の和紙を使った。

（注）接着剤が乾かないとき、本を開いてしまった。注意しないといけない。
（注）用紙折用ローラーに学生がびっくりしていた。